大吟醸 鄙願(ひがん)入荷
- 2021.07.17
- 食
大吟醸 鄙願(ひがん)入荷しました。
料理を引き立て、料理の邪魔をしない日本酒。
文筆家 鉢山亭虎魚は、下記のような表現をしております。
面白いので、ご紹介します。
いつの間にか、本格の割烹・料亭は言うに及ばず、鮨屋や蕎麦屋でも一流と目される所は「鄙願を置いているのがその証明」のようになってしまった。
愛してやまぬ鄙願のためには喜ばしいことだが、手放しで喜んでもいられない。
どんな酒でも「うまい、うまい」とがぶ飲みするだけの若い者にまで、こういう酒を飲まれてはまことに迷惑千万である。
元来、彼らにまで飲ませる分量がない、彼らに奪われた分だけこちらの飲む分が減って、入手に苦労せねばならぬ。
修行を十二分に積んだ酒徒でなくては、この酒の淡味のよさはまずわかるはずはない、わけもわからず飲まれたのでは鄙願が可哀そうである。 淡味(たんみ)あっさりとした味わい
一升6~7千円もする酒を若者が飲んでいる様は見苦しい、何事も分相応という事がある、若い者には、若いうちに飲むべき酒がいくらでもある。
「一生に一度でも、心底うまいなぁと、しみじみ実感できる酒を飲んでみたい」と二十年がかりで造り上げた酒である、今やどこの蔵にでもある吟醸と一緒にされては困る。
世の中の取り決めとしては一応「酒は二十を過ぎてから」ということになっているが、この酒ばかりは飲み手をもっと厳しく限定して然るべし。
鄙願は五十を過ぎてから! これでいい、
本当の話は、鄙願は還暦を過ぎてから! にしたいくらいだ。